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自分の気持ちを気がついたモニカがかわいいな。(挨拶)
異篇卿の拠点へとシェルティスたちが向かう攻めに出る巻。
レオンと異篇卿第一位のアルマデルの関係と戦いの結末が気になるところであるけど、
やはり一番気になるのは、今までシェルティスが隠してきたことがバレたのが大きい。
イグニドの口から、エデンに堕ちたことときのこと、それに付随してエデンとソフィアに隠された事実、いろいろなことが明かされていった。
エデンとソフィアの関係が鏡であることや塔が291階という中途半端な数までしか階数がないことの理由にはなんかいろいろ納得した。
イグニドの素顔が非常に気になる。明かされるのはだいぶ先になるみたいだけど。
今回は主要メンバーそれぞれにとって大きく動きだして、第一部に区切りがついた。
そして第二部へと移るのでその展開も非常に気になる。
ここ数巻続いていた「アマデウス、ミクヴェクス」について、ある程度は区切りが付いたこの巻。
「残酷な純粋知性」であるクルーエル。
彼女とミクヴァ鱗片。
二つは同時に存在してはいけない。
どちらからが消えなければ、風の砕けた日が再び発生する。
だから、彼女かミクヴァ鱗片のどちらかが消えることを選ばなければならない。
風の砕けた日が発生までのタイムリミットも迫っている。
でも、ミクヴァ鱗片はミクヴェクスの一部とも言えるものだから、「ミクヴェクス」が願わないと消えない。
名詠式の方式から外れているもの。
それを理解しながらも、ネイトが必死にクルーエルのために、ミクヴァ鱗片を反唱しようとする。
何度も何度も。
その両の手が腫れ上がっても。
でも、ミクヴェクスの一部だから......それは叶わない。
ホントにネイトが一生懸命すぎる。
反唱できないミクヴァ鱗片よりも、クルーエルは彼女が望めば消えることができる。
風の砕けた日が再び起きれば、多くの人が犠牲になる。
彼女を取るか、犠牲を取るか。
この二択。
だから反唱が無理とわかっていても、ミクヴァ鱗片を反唱しようとするネイトの姿が......。
ボロボロのネイトをみて、クルーエルがどういう決断をするのか、そんなことはわかっている。
そうじゃなくても、クルーエルがどういう選択をするのか、わかっている。
ミクヴェクスの目として還る。
クルーエルの力だけでは還れないからアーマの助けも借りる。
ネイトを助けたいから、自分が消える。
クルーエルが消えることを決めて、ネイトに自分の思いを告げたのが悲しい。
微笑むように泣きながら思いを告げた彼女が悲しい。
ネイトが必ずクルーエルを助けると約束した。
風の砕けた日は、防げなかったけど被害は最小限に、そして名詠式が使えなくなった。
次回で最終巻みたいだけど、
どうやって、彼女を助けるか?
名詠式がなくてどうするか?
クルーエルを助けるなら、ミクヴェクスを納得させないといけない。
ネイトは一体何色を詠使いになりたいのか......。
正直すごい。
名詠式そのものにシステム構築について、シャオたちの口から語られるこの巻。
アマデウス、ミクヴェクスという二人の調律者の存在と、アマリリス、そしてクルーエルの関わり。
これまでの物語で伏線とされていたことが、今回明かされる。
アマリリスがなぜクルーエルに似ていて、彼女を心配するのか。
名詠式の門の向こう側の世界――名詠式で呼ばれるものは、どこからくるのか。その謎もわかる。
まさか、ここまでの世界を構築しているとは思わなかった。
名詠式関係以外だと、クルーエルが自分のネイトへの想いを認めたというのが非常に大きい。
そして、クルーエルの存在意味......アマリリスの優しさ。
とにかく、読んで欲しい一冊。